3x3.EXE PREMIER JAPANには今季、男女あわせて8チームが新規参入します。本企画は新規参入チームのオーナーに参入の背景、クラブが目指すものなどを語ってもらい、新たに3x3.EXE PREMIER JAPANに加わる仲間を紹介するシリーズ連載です。
第4回は、MEN’S CATEGORYに新規参入するIKEBUKURO DROPS.EXE。「見せ方ひとつで変わるものはいっぱいある」と語る、チームスタッフの加藤氏。一味も二味も違った3x3を魅せるべく、都心のエンタメ企業が立ち上がります。

WEBプロモーション、IT、音楽、エンターテインメント、そして3x3
持ち得るコンテンツ全ての掛け算で、3x3の世界を広げる

3x3は試合中も音楽が流れ、MCがキレのいいトークで会場を盛り上げるなど、エンターテインメントとの親和性がとても高いスポーツだ。2023シーズンに3x3.EXE PREMIERに新規参入するIKEBUKURO DROPS.EXEを運営する株式会社BlueOceanはWEBプロモーションや楽曲制作など、エンターテインメント事業を幅広く展開する。そんな同社が参入に至った経緯などを、チームスタッフの加藤勇貴氏が話してくれた。

加藤「代表の清水将成はバスケットボールの名門能代工業高校(秋田)出身ということもあり、数あるスポーツの中でもバスケットボールに関して特に興味、関心を持っておりました。しかも2022年にはSLAMDUNKが映画化し、山王工業のモデルとして話題にもなっていましたね。3x3も競技自体は知っていましたが、PREMIERさんから詳しくお話を伺うまでは細かいルールやリーグの仕組みは把握しておりませんでした。3x3.EXE PREMIERを知っていく中で、我々が取り組んでいる事業での繋がりや強みを3x3を通じて更に活かすことができるのではないかと感じました」

スポンサーとしてチームやリーグを支援していく形も検討していたが、3x3の可能性や将来性を自分たちが主導となって広げていけたらと思い、チームを結成してリーグへ参入する方向へと舵を切った。

加藤「当初チームを結成する方針を固めたものの、プロのチームを運営してきた経験や知識がない為不安もありました。ただ東京オリンピック2020で3x3が正式種目として新たに採用されたことをきっかけに3x3の可能性は更に広がり、チーム運営という形で弊社の強みを最大限に活かしたいという期待感が勝り新規参入を決めました。

弊社では
・WEB媒体を駆使したプロモーション、
・キャスティング、イベント企画、楽曲制作で繰り広げるエンターテインメント
・IT技術を用いた革新的なサービス
を得意としておりますので、これらをチーム運営の中でも活かしていきたいと考えております」

さまざまな仕事を手がける(株)Blue Ocean ※写真はHPから抜粋

IKEBUKURO DROPS.EXEが盛り上げるべき地域は、チーム名にあるように東京の池袋。

加藤「弊社は池袋に事務所を構えておりまして、代表も長く池袋に住んでいます。そういった縁もあって池袋を盛り上げていきたい、池袋に貢献できることはないかという思いが根底にありました。池袋にはプロのスポーツチームがないというのも参入に至った動機のひとつでしたね」

センター街のメイン通りが“バスケットボールストリート”と名称され、Bリーグのサンロッカーズ渋谷がホームを置くなど、バスケットボールといえば渋谷のイメージがある。しかしそれは、どちらかといえば5人制のほうではないだろうか。一方で池袋は地域の特性的に若い世代が多く集う街で、渋谷よりもストリート色が強い印象があるように思う。3x3もストリート発祥のスポーツで、そういう意味では池袋との相性がいいのではないだろうか。

加藤「僕もそう思っているところはありますね。バスケットボールのイメージにあるストリート感は、ちょっとやんちゃなイメージと連想できる部分があると思うんです。池袋のイメージも今はだいぶ印象が変わりましたが、池袋といえばIWGP(『池袋ウエストゲートパーク』)って思い浮かぶ方も多いのではないでしょうか。ドラマでのストリート感、ファッション、アウトローなイメージはいい意味でバスケットボールと関連じみたものがあるんじゃないかと感じています。また、弊社で行っている音楽事業ではHIPHOPのアーティストさんと関わる機会も多く、HIPHOPの世界観や音楽性もバスケットとの親和性が高いと思います。

近年は住みやすい街ランキングでも上位にランクインするほど人気を博している池袋。そこに3x3(バスケットボール)を通じてクールなファッション性、音楽性、ストリート感を打ち出していくことで一気に盛り上がるきっかけを作れるのではないかと考えています」

先日3x3.EXE公式にて新規参入チームのロゴの発表もあったが、クラシックなデザインについて、率直に聞いてみた。

加藤「近代的なデザインももちろん魅力的なのですが、代表も私もレトロな物やクラシックなデザインが好きですね。ロゴ制作にあたりそういったどこか懐かしい雰囲気を出せるようなデザインにしたいと試行錯誤して制作致しました。まだユニフォームは制作中ですが、ユニフォームも同じような方向性でカッコイイと思って頂けるデザインにしたいと思っております。

発表されたチームエンブレム

まだ具体的に決まっているわけではないが、池袋の象徴的な場所のひとつである西口公園を舞台にしてのイベント開催も構想のなかにある。

加藤「もちろん豊島区役所の方との確認もしながらですけど、池袋ウエストゲートパークにも出てくる西口公園や、池袋らしい場所を使って試合やイベントをやっていけたらストリート感と合わさって話題性もあるのかなと考えています。また弊社は事業を通じてアーティストさんや、著名人の方々と関わる機会があります。まだ検討段階でありますが、そういった方々を絡めて池袋で3x3の大会やイベントを誘致して、3x3を知らない方にも3x3を知ってもらえるきっかけを作っていければということを考えています。そうしたことを通じて池袋が3x3の街になっていけばいいですね」

エンターテインメント系の事業は得意だが、スポーツチームの運営は初めて。チーム作りや強化などは、手探りの部分もあるのが正直なところ。

加藤「チーム作りは最大の課題ではありますね。他のチームのやり方を意識し過ぎだり、背伸びをし過ぎてもうまくいかないのかなと。どういうチームにしていきたいのか、どのように競技(3x3)やチームを盛り上げていけるのかを明確にしてチームを作りたいと考えています。所属選手には新規参入だからと甘んじることなく、選手にとってやりがいのある環境を用意できたらと考えています。有難いことに既に応援したいと協力的に動いて下さる方もいらっしゃるので、そういった周りのサポートと連携してチーム作りにも反映していければと思います。

具体的なチーム作りにおいても、本業で得意とするエンターテインメント性を加味する。

加藤「エンターテインメント性のある選手が所属してくれると、ありがたいですね。華があるプレーや、コート内外問わず興味をそそられるオーラを感じさせてくれるような。ただ試合に勝つだけでは見てくれる人も魅力に欠けてしまうと思いますし、新しいファンを増やせないのかなと。それぞれのスタイルでファンを魅了できるような選手を弊社が得意とするSNS拡散やWEBプロモーション、キャスティング等の力でバックアップして、チーム、リーグ共に盛り上げていきたいと考えています。ファンの方が増えれば選手のモチベーションも上がり、結果として試合に勝つ為の意識や緊張感、責任感を持って戦うことができるのでチームとしての成長も期待できます。新規で参入していくので思い切って自分たちのスタイルを活かしていきたいですね」

本業の軸でもあるWEBプロモーションを活用して、IKEBUKURO DROPS.EXEからスター選手を作るという動きもできるのではないだろうか。

加藤「そうですね。見せ方ひとつで変わってくるものもいっぱいあるのかなと思っています。我々はWEBプロモーションに加え、クリエイティブ等の制作機能も持っていますので、チームのオフィシャルサイトや広告物にもこだわって制作と発信をしていきたいと考えています。そういった強みを活かしてチームとしてのSNS(Instagram/Twitter/Tiktok)アカウントやYoutubeチャンネル等も力を入れていく予定です。現代は個人でも発信できる時代なので選手にもどんどん自分をアピールしていってほしいなと思っています。プレーだけが選手の魅力ではないので、自分がプッシュしたいポイントをガンガンアピールしてもらえればと。プレーに限らずスターになるきっかけやチャンスはたくさんありますし、それをバックアップする準備を全力でしたいと思っています。」

HP上でもリリースされた新規参入の発表。既に話題を呼んでいる ※写真はHPから抜粋

事業を通じて、マネジメント経験はある。スポーツチームのマネジメントは初めてだが、本業とのシナジーや強みを生かして、独自性のある運営を目指す。

加藤「勝てるチーム作りをするのは大前提ですが、その手前で、3x3.EXE PREMIER自体を盛り上げていかないとIKEBUKURO DROPS.EXEも盛り上がっていかないと思います。弊社では昨年から特にエンタメに関する分野に力を入れております。元々得意だったWEBでのプロモーションやIT技術に加え、音楽、芸能といったジャンルにも展開をしております。そこでできた新たな繋がりもチーム運営に活かせると思っており、確定ではないですがラジオ、ネット番組等の企画も考えております。土台である広告業を軸に様々なジャンルへ参入するフットワークの軽さ、スピード等を活かし、選手をバックアップしたいと思います。とはいえ、我々だけでの力で盛り上げていくには限界があるので、選手たちにもどんな形でもいいのでチーム一丸となり魅力あるチーム作りに取り組んで頂きたいです。小さなことでも何かを発信したり継続していくことでチーム、リーグ、競技がより認知されていくと思います。選手たちにもどんどん情報を発信してもらってIKEBUKURO DROPS.EXEならではのカラーを出していきたいと思います。

参入初年度を前にしながら、中長期的なビジョンも見据える。

加藤「今は多くの選手たちはなにか別の仕事をしながら、3x3の選手として活動されてるとお聞きしました。もちろん仕事と競技の二刀流も素晴らしいですが、競技だけでも生活ができたら理想的かなと思うんです。それくらい盛り上がっていけば選手も競技だけに集中できますし、チームとしてもいい環境が作っていけるのかなと思います」

そのためには当然ビジネスとして、競技を通じての収入が必要になる。株式会社BlueOceanは、IKEBUKURO DROPS.EXEを通じての事業に、どのような可能性を感じているのか。

加藤「収益化については先々もさることながら、今年からシビアに見ていくつもりです。そこで我々が力を発揮できるのは、エンターテイメントの部分。面白い企画だったりイベントを、3x3と掛け合わせて考えていくことが大事だと思います。そのためにも初年度は、我々が主催するイベントを実施することが目標です。チームが強くて、プレーが面白い。見てくれる方はそれが、いちばん楽しいと思います。そういうチーム作りができれば理想的。バスケットボールとエンターテインメントを掛け合わせて、競技の枠を超えた融合も見せていけたらなと思っています」

ITとエンターテインメント、そして音楽に3x3。IKEBUKURO DROPS.EXEが取り組もうとしていることが、単なるそれぞれの足し算ではなく掛け算で加算され、3x3の世界を広げていくことに期待したい。

◤TEAM information◢
Team:IKEBUKURO DROPS.EXE
Since:2023
Hometown:東京都豊島区池袋
HP:https://ikebukuro-drops.com/
SNS:
(Twitter)https://twitter.com/ikebukurodrops
(Instagram)https://www.instagram.com/ikebukurodrops.exe_official/

◤新規参入に関するお問合せはこちら◢
premier@exebasketball.com

(Text by カワサキ マサシ)