2024年6月18日で37歳を迎えた落合知也選手(ALPHAS.EXE)。3x3プロバスケットボールプレイヤーであり、自身が手がける会社『株式会社WORMAiD』の代表取締役社長。加えて今年はB3リーグ所属の「B3しながわシティバスケットボールクラブ」と契約し5人制にも復帰、一方で時にモデルとしても活躍するなど、いくつもの顔を持っていることが彼の大きな特徴だ。

落合選手は、プレイヤーとして世界に挑戦しながら、帰国すれば代表取締役として企業との商談をし、その1時間後にはハードなトレーニングを実施。家に帰るとその日の練習を振り返り、次の日のメニューを考える……。一見、誰よりもハードな毎日を過ごしている落合選手だが、会えば常に明るくふるまい、エネルギッシュにプレーする姿も印象的。

「なぜそんなに毎日元気なのか?疲れないのか?」そんな素朴な疑問を、落合選手にぶつけたところ、彼の大切にしている毎日の過ごし方について聞くことができた。

※取材日:2024年9月4日

複数の役割があり、スケジュールはみっちり。落合知也が持つ顔

__:朝練習をして、お昼に社長として商談、午後はラボ(森永製菓inトレーニングラボ)でトレーニング、そして夜は再び練習。直球で伺いますが、疲れないんですか?(笑)

落合:「疲れない」と言ったら嘘になりますね(笑)。疲れますよ、しっかり。ただ、練習やトレーニングを辞めてしまうと、自分自身の成長がそこで止まってしまうんじゃないかと不安ですし、怪我してしまうのではないかなと思ってしまうんです。その不安があるから、今も頑張れているというのはあります。

ただ、8月は特に忙しくしていて、モンゴルの世界大会に出場し、3x3.EXE PREMIERで名古屋で2日間激しい試合があって、金沢の復興支援のイベントに行って……。でも楽しいですよ。自分が好きなバスケットに関わることですし、今しかできないことですから。選手を引退したら、こんな生活はできないと思いますので、本当に今を楽しく全てに全力で生きています。

__:落合選手は選手、社長、GM、モデルといくつもの顔をお持ちですよね。

落合:毎日何かしらでスケジュールは入っていますが、でもここまで自分ができているのも、絶対に当たり前ではないと思うんです。色んな人の支えがあってできているので、その人たちのためにも頑張ろうって。自分だけではできないので、本当に感謝しています。

自分自身は会社の代表として、GMや選手編成、強化、コーチとしても活動をしているのですが、それでも会社を立ち上げたのは2022年のことですから、社長業はまだまだです。

実は心配性。苦手なことも多い。だからこそ周囲への感謝を忘れずに

__:”社長業”についても伺いたいのですが、それこそスポンサー営業などもされているんですか?

落合:スーツをピシっと着て、名刺交換をして、資料を持って営業させていただくことももちろんあります。まだまだ足りないと思いますが、恐らく人並みにはできているのではないかな……と思っています。ただパソコンはできませんし、パワーポイントで資料も作れないです。全然ポンコツですよ(笑)。

それに金髪なので、金髪でスポンサー営業行って頭下げるって、僕が相手方だったら「大丈夫かな」って思っちゃう。とはいえ昨年から心機一転で金髪にしたんですが、そこから大会で優勝したり大きな商談が決まったり調子がよかったので、社長兼選手という等身大の自分を見て欲しいという思いと、ゲン担ぎとして染め続けています。でも「やっぱり不安だな」と思うときはあります(笑)。

__:めちゃめちゃリアルですね(笑)。堂々と、卒なくこなしてそうなイメージがありますが。

落合:全然です。結構心配性なんですよ。営業の話ですと、僕は資料を作れないのでスタッフに「こういう資料を作ってほしい」とお願いをして作ってもらったり、パソコンの使い方を教えてもらったり。自分は本当に、気持ちだけでやっています。

だからこそ、自分で辞め時を決めないって決めているんです。みんなから必要とされなくなったら辞めようと思っていますが、そうなりたくないから結果を追い求めているし頑張り続けないといけない。仕事もトレーニングもそう思って続けていますし、やっぱり必要とされたいので、苦しいとかはないですし、本当に毎日を楽しませてもらっています。

毎日をベストコンディションで過ごすためのマストアイテム

落合:僕はもう37歳で若くない。普通に考えたらパフォーマンスが落ちてもおかしくない年齢ですし怪我もしやすくなっていると思うのですが、やっぱりラボでのトレーニングは大きいです。吉髙トレーナーや栄養士の三好さんなどが僕のボディバランスや体重・体脂肪を管理してくださってて、自分のコンディションが数値でわかる。試合に勝った・負けたで、負けた課題を解決するためのトレーニングをする。この積み重ねがあるから、僕は毎日を良いコンディションで過ごせていると思います。体調を崩さないことはもちろん、むしろフィジカルも上がっていて、大きな怪我も無いですから。

吉髙(トレーナー):落合選手の場合は、常に重要な試合で結果を出していくために必要な行動を逆算していらっしゃるように感じます。必要だと思えば辛い状態でも練習・トレーニングをし、休むべきときは休むという判断ができる選手なので、その感覚も踏まえてプランを提案させていただいています。だから長くキャリアを創っていけているのではないかと私自身は思います。

__:トレーニング以外で、たとえば食事や栄養面で気を付けていることについても教えていただけますか?

落合:試合前にどうしてもエネルギーが足りないなっていう時は僕にもあります。そういうときは「inゼリー」を絶対飲みます。3x3は1日4試合あって、1試合10分なので試合の間が結構あるんですよ。食事のタイミングがないので、小腹が空いたり食事の代わりとして飲むこともあります。

あとは海外で食事が合わないときってどうしてもあるんです。この国の料理はあんまり美味しくないな、という場合に、inゼリーとinバーで栄養補給をしますね。あと実は僕、本当はお菓子が大好きなんですよ(笑)。ポテチとかチョコとか(笑)。どうしても食べたいなっていうときに、栄養士の三好さんに「inバーだったら良いですか……?」って連絡をして、ご褒美として食べたりもします(笑)。

三好(栄養士):落合選手の仰る通り、食事はお伝えした内容を意識して選択されていますが、一方で心の栄養(外食やお菓子など)も、ほどほどに取られます(笑)。先ほどの吉髙トレーナーの話にもありましたが、食事面も含めて全体的にバランスを取る自己調整力が、非常に高い選手だと思っています。だからこそハードスケジュールの中でも怪我無くパフォーマンスが発揮できていると思います。

__:お話を聞いていると、忙しく、また食事や栄養面も気にするサラリーマンやOLが仕事の合間にinバーを食べたりするのも良さそうですね。

落合:タンパク質もあるし脂質も低いので、これはオススメですよ!

〇〇しかできないことを全力で。忙しい毎日でも落合選手が大切にしていること

__:さまざまな顔を持つ落合選手だからこそですが、どんなときに達成感や充実感を感じるのでしょうか?

落合:たとえば、チームメイトで日本代表にもなった小澤崚選手。彼はまだ25歳なんですが、彼が代表として定着するために、世界と戦い続けるためにはフィジカルは絶対必要だって伝えて、今一緒にトレーニングもしています。本人もやる気を見せてくれて、結果もついてきて。元々シュートが得意な選手ですが、最近みるみるトレーニングの成果が出ていて、成功率に現れているんです。

このように自分以外の誰かが結果を出すと、自分のことのように嬉しいですね。あとはもちろん「サポートしたい」と企業様に言っていただけたときや世界大会で勝てたときは、やっぱり「頑張ってきてよかった」「自分たちがやってきたことは間違いじゃないんだ」って強く思います。

__:37歳バリバリ現役。5人制も復帰。最後に、今後の目標について聞かせてください。

落合:自分自身、この仕事に生きているので、選手としてはもちろんですが選手育成も自分の役割です。それに僕は、大学を卒業してからプロへ行かずにバスケットから離れた時期がありました。その離れた期間に「やっぱり自分にはバスケしかない」と感じてから今に至るので、全て当たり前じゃないんです。当たり前じゃないし、一度手放したものを、もう二度と手放したくないから、今しかできないことを全力でやっています。

パリ五輪は予選で負けてしまいましたから「次はロスで」と軽々しくは言えません。1年1年勝負して、その延長戦でLAに挑戦できたらいいなという思いです。3x3で頂点に居たいし世界で勝ちたいから、プレイヤーとしてまだまだ世代交代させないぞって思いもあります(笑)。この挑戦も、今しかできないと凄く理解して普段生活をしているので、引き続き、国内でも世界でもトップを同時に目指して頑張りますし、支えてくださっている皆様に少しでも結果で恩返ししていきたいです。

【PROFILE】

落合知也

1987年6月18日生まれ / 195cm 95kg
株式会社WORMAiD 代表取締役
レプロエンタテイメント所属
森永製菓株式会社・ブランドパートナー

<所属チーム>
3x3:ALPHAS.EXE
B3リーグ:しながわシティバスケットボールクラブ

<略歴>
9歳からバスケットボールを始め、小学校・中学校・高校と全国大会に出場。
法政大学在学中には全国2位、U-24日本代表候補に選出されるも、卒業後は競技生活から離れ、モデルの道へ。
しかし、親交のあった先輩から、ストリートバスケに誘われたことをきっかけに3x3バスケットボールに出会い、バスケ熱を取り戻し競技生活に復帰。2014年から日本代表に選出され、2018年にはアジア大会で銅メダルを獲得。FIBAの世界ランキング(個人)で日本とアジアで1位に輝いた実績も持つ。

2021年東京2020オリンピック日本代表、2024年に3x3競技にて初めて日本の宇都宮で開催されたパリ2024オリンピック予選にて日本代表として活躍。3人制バスケのプロリーグ「3x3.EXE PREMIER」ではリーグ創設から活躍し2024シーズンで10周年選手となる。2023・2024シーズンともに総合優勝・二連覇を達成した。

取材・撮影:クロススポーツマーケティング株式会社
写真提供:株式会社WORMAiD
[PR]提供・撮影協力:森永製菓株式会社