「学生の皆さんは、絶対3x3にチャレンジした方が良い」
そう語るのは、専修大学バスケットボール部(関東一部)でプレーしながら、3x3.EXE PREMIER「IKEBUKURO DROPS.EXE」で活躍、さらに昨年はB.LEAGUE「三遠ネオフェニックス」にて特別指定選手として活動をした、淺野ケニー。
5人制を主戦場としながら、アンダーカテゴリーで日本代表に選出されている彼が、なぜ「3x3に挑戦した方が良い」と語るのか。その理由に迫ります。

※取材日:2024年10月7日

【淺野ケニーが、オリンピック種目でもある「3x3」を始めた理由】

__:「3x3をやってみよう!」と思った理由やキッカケについて教えてください。

淺野ケニー:競技そのものを知ったのは、高校2年生の時です。僕の1つ上の代のBチームの先輩たちが、引退試合のような形で高校生の3x3の大会に出場したことをキッカケに3x3の存在を知りました。そのあとに、僕は大学の寮がキング開(横浜ビー・コルセアーズ:専修大学卒)さんと同じ部屋だったんですが、開さんが3x3のチームに所属しているのを聞いて「大学生でも3x3やっている人がいるんだ」と思ったんです。その流れで僕も大学1年のときに初めてプレーさせていただきました。当時は競技特性を理解していなくて、1on1をメインにプレーする競技だと思っていましたけど(笑)

__:あはは(笑)。今ではU-23の3x3日本代表にも選ばれていますね。

淺野ケニー:大学3年生の時に初めて3x3の日本代表として世界大会(FIBA 3x3 U23 Nations League 2023 - Asia-Oceania)に出場させていただきました。
その時のメンバーは、キング開さんをはじめ星川堅信さん(越谷アルファーズ)、渡部琉さん(広島ドラゴンフライズ)、益子拓己さん(川崎ブレイブサンダース)。年上の本当に凄い人たちと3x3をプレーさせていただけることが嬉しかったですね。こんな機会は3x3でなければ絶対なかったと思います。
先輩たちの雄姿を国際大会で見ることができて、僕が当初思っていた「1on1がメイン」とは大きく違う、3x3に対する世界観が一気に変わったのを覚えています。

【5人制には無い、3x3の特徴とは】

__:世界大会を経て、3x3に慣れて気づいたことや、5人制で活きたと感じたことはありますか?

淺野ケニー:プレーの話ですと、スペースの作り方やマークマンを見る判断力は3x3を通じて大きく成長できたと感じています。
スクリーンを使ってスペースを右に作りたいか左に作りたいかを考えて、判断して選択できるようになりました。自分がボールを持っているときも「(右にスペースができるから)この角度でスクリーンに来てほしい」とわかるようになったことも大きいです。ディフェンスに関しても、3x3は3人しかいないので、全てを守れないシーンが絶対にあるんですよ。そのシーンをどうやって隠すか、オフェンスを警戒させるか、といった「考えて守るノウハウ」も身につきました。

あとはやっぱりコミュニケーション。3x3はコートに監督がいないので、試合中に自分たちで考えてプレーしないといけません。「ディフェンスのAのプランで守れていないからBに変更しよう」といった形で、各々が自分の視界の中で感じたことを発信してゲームを作っていかないと勝てないので、自分で考える力も各段に上がりました。これらの能力は3x3の特徴から培うことができましたが、5人制でもとても活きています。

【ズバリ、学生時代から3x3はプレーした方が良い?】

__:学生時代から3x3をプレーすることに対して、淺野選手はどのように思いますか?

淺野ケニー:絶対やったほうが良いです。可能であれば小中学生とか早いうちからやったほうが良い。僕は3x3をプレーしてよかったと思っていますし、僕自身、先ほどお伝えした判断力とコミュニケーション能力はもちろんですが、あとはタフになったと思います。これらを3x3を通じて学生時代に学べたことが凄く大きいと思っています。

やっぱり3x3は外なので、暑い・寒い環境の中でも最高のパフォーマンスをしないといけないんですよね。3x3の国際大会が開かれる国の気候や環境にコンディションを合わせて、各大会で戦い抜いた経験や競技を通じて学んだ力があるからこそ、精神的にも肉体的にも、3x3を通じてタフになりました。その結果僕は今、大学バスケの一部リーグの中で、誰よりもプレータイムが長いんだとも思っています(1試合平均約33.4分(取材日時点))。どんな状況でも良い状態でプレーできる適応能力も鍛えられましたので、本当にバスケットのプロを目指すのであれば、絶対に3x3はプレーすべきだと思っています。

【未来のスター選手に向けて】

__:これからバスケットのプロを目指す子どもたちに向けて、メッセージをお願いします。

淺野ケニー:自分にベクトルを向けることを、僕は大切にしています。あと、僕は中学からバスケを始めたので、あんまりプライドがないんですよ(笑)。だからバスケ経験が無い友達とかに試合を見てもらって「どう思う?」って聞いたりします。この理由は全然違う人に聞いてみたら、新たな視点があると思っているからなんです。もちろん監督やバスケが上手い先輩からアドバイスいただきますよ。ただ、これまでも自分を客観的に見て色んな人の意見を吸収してスタイルを作ってきたので、僕はそうしています。

プロになりたいのは自分だし、その道を選んだのも絶対自分。選んだ道を成功にできるように日常生活を送っていけば、絶対満足のいく結果に繋がると思うので、プロを目指す子たちにも意識してほしいなと思います!



●3x3.EXE PREMIER でプレーしよう!~選手登録・チームに所属するまでの流れ

(1)10月上旬~1月下旬 【3x3.EXE PREMIER PLAYER ENTRIES】に申請する。
上記リンクから申請した選手が掲載された「3x3.EXE PREMIER プレーヤーリスト」からチームは選手に直接交渉することができます。チームオーナーから声がかかるように、自分の強みや試合実績などを入力してください。
- 対象年齢:2025年3月31日時点において満15歳以上の男女(国籍不問)
- 受付期間:2024年10月1日~2025年1月31日 23:59まで
※U24特別選手枠の対象選手は 2025年8月末まで(シーズン中も登録可能)

(2)2月上旬~「3x3.EXE PREMIER プレーヤーリスト」が全チームオーナーに公開。
交渉はチームオーナーから直接連絡がありますので、メール/電話等で直接やり取りしてください。

(3)2月上旬~ チームから双方合意リクエストが届いたら最終合意手続きを行い、双方合意が完了。

(4)2月上旬~リーグと選手による契約締結

(5)5月中旬~9月中旬「3x3.EXE PREMIER 公式戦シーズン」
試合出場選手は各ラウンドでチームオーナーが3~4名をロスターから選んで登録します。
チームオーナーから出場選手に選ばれれば該当のラウンドに出場することができます。

★ポイント★
「3x3.EXE PREMIER プレーヤーリスト」には全国各地から毎年800名を超える選手が申請するため、申請してリストに掲載されても、チームから連絡が来ない場合も多いです。チームオーナーも来場するリーグ合同トライアウト「3x3.EXE PREMIER COMBINE」や、オープントーナメント「3x3.EXE TOURNAMENT」に参加し、実践で自己アピールすることが合意契約への近道になります。


【PROFILE】
淺野ケニー / Kenny Asano
2002/08/16 生まれ
東京都江戸川区出身
洛南高→専修大(4年生・在学中)
IKEBUKURO DROPS.EXE所属

小学校時代に仲の良かった友人に誘われて、中学からバスケを始める。
二之江中時代はU-16日本代表に選出。洛南高校時代はWCベスト4、代表にも選出され続けた。現在専修大学では、2年次にB.LEAGUEの京都ハンナリーズへ、3年次に三遠ネオフェニックスへ特別指定選手として加入しつつ、3人制バスケットボールのプロリーグ「3x3.EXE PREMIER」所属のIKEBUKURO DROPS.EXEでも活躍中。5人制・3人制ともに代表に名を連ねる未来のスター候補。