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The Sports and Smart Cities Forum 2026を初開催

2026.05.13

The Sports and Smart Cities Forum 2026が、FIBA 3x3 World Tour Utsunomiya Opener 2026にあわせてJR宇都宮駅に隣接するMICE施設「ライトキューブ宇都宮」で初開催された。自治体、企業、大学、スタートアップが一堂に会し、それぞれの立場からスポーツを通じたまちづくりの可能性を発信。会場では、3x3をはじめとするアーバンスポーツが都市にもたらす価値や、大会開催を一過性のものに終わらせず、地域の未来へどのようにつなげていくかについて、熱い議論が交わされた。

地方都市の未来を支えるのはスポーツ

オープニングでは、佐藤 栄一氏(宇都宮市市長)が登壇。宇都宮市がこれまで3x3とともに歩みを重ね、スポーツを軸に都市の魅力づくりを進めてきた背景を語った。

人口減少や地域課題が進むなかで、次の世代に夢や希望をつないでいく存在として、スポーツが持つ意味はますます大きくなっている。佐藤氏は、地方都市が活力を保ち続けるためにも、スポーツが果たす役割は非常に重要であると強調。フォーラム全体の方向性を示す、力強い幕開けとなった。

3x3は都市でこそ価値を発揮する

基調講演には、アレックス・サンチェス氏(国際バスケットボール連盟(FIBA)3x3最高責任者)が登壇。「国際スポーツイベントが都市にもたらす価値」をテーマに、3x3が世界で成長を続けてきた理由と、その価値創造の考え方が共有された。
講演では、3x3がシンプルで分かりやすく、スピード感があり、エンターテインメント性の高い競技として設計されてきたことが紹介された。さらに、観る人にとって楽しい体験であることはもちろん、スポンサーや開催都市にとっても魅力あるコンテンツとなる点が強調された。
象徴的な都市空間で大会を開催することによって、競技そのものの魅力に加え、街の個性や景観、文化までも一体となって発信できる。3x3が“都市型スポーツ”として世界各地で存在感を高めてきた背景には、そうした設計思想があることが改めて示された。

基調講演では、アレックス・サンチェス氏が3x3の世界的な広がりと、都市にもたらす価値について語った。

宇都宮と北九州、それぞれの実践

SESSION1では、「アーバンスポーツを軸とした魅力的な街づくり」をテーマに、佐藤 栄一氏(宇都宮市市長)、森川 洋一氏(北九州市 都市ブランド創造局 にぎわい担当理事)が登壇。モデレーターは、齊藤 恵理称氏(びわこ成蹊スポーツ大学教授 / Splat Inc. CSO)が務めた。
宇都宮市からは、3x3国際大会の継続開催を通じて、交流人口の拡大や都市認知の向上だけでなく、市民の誇りや地域の一体感が育まれてきたことが共有された。大会を開催すること自体が目的ではなく、その経験を通じて子どもたちが世界レベルのプレーに触れ、地域の中にスポーツ文化が根づいていくことに大きな価値があるという視点が印象的だった。
一方、北九州市からは、ラグビーワールドカップや世界体操、アーバンスポーツ大会などの開催経験をもとに、若者に選ばれる都市づくりへの挑戦が語られた。大会をきっかけに、学校訪問や体験機会の創出、街なか空間の活用へと取り組みを広げることで、スポーツを単発のイベントで終わらせず、街の魅力へとつなげているという。
両市に共通していたのは、スポーツを“その日だけの熱狂”で終わらせない姿勢だ。スポーツを通じて人が集まり、街がにぎわい、市民の意識が変わる。アーバンスポーツが、都市に新たな表情を与える存在になり得ることを示すセッションとなった。

SESSION1では、宇都宮市と北九州市がそれぞれの実践を共有し、アーバンスポーツを通じたまちづくりの可能性を語り合った。

企業は“支援する側”から“ともにつくる側”へ

SESSION2では、「共創パートナーとして企業の役割とスポーツ投資」をテーマに、竹内 雄一氏(株式会社足利銀⾏ 常務執⾏役員)、中村 考昭氏(ゼビオホールディングス株式会社 副社⻑執⾏役員)が登壇。モデレーターは、引き続き齊藤 恵理称氏(びわこ成蹊スポーツ大学教授 / Splat Inc. CSO)が務めた。
足利銀行からは、スポーツへの関わりを単なる協賛ではなく、地域との接点を広げ、新たな価値を育てる“地域への投資”として捉えていることが語られた。大きなことを最初から目指すのではなく、小さく始め、対話を重ねながら継続していく。そうした積み重ねこそが、長期的な信頼と成果につながるという考え方が示された。
また、ゼビオホールディングスからは、スポーツ投資は広告宣伝の枠を超え、企業が持続的に成長していくための基盤にもなり得るという視点が共有された。スポーツは世代や地域、業種を超えて人を巻き込みやすく、企業と地域、企業同士、企業とファンをつなぐ“場”として大きな力を持っている。だからこそ、いま求められているのは協賛ではなく、共創型の関わり方であるというメッセージが、会場に強く響いた。

SESSION 2では、企業の視点からスポーツ投資の意義や共創の可能性が語られ、地域とともに価値を生み出す関わり方が共有された。

大学・企業・スタートアップも新たな挑戦

ショートプレゼンでは、宇都宮大学・中村祐司氏、第一⽣命保険株式会社・片山晴彦氏、株式会社シルバコンパス・青島翔平氏が登壇し、スポーツと地域をつなぐ多様な実践を紹介した。
宇都宮大学からは、スポーツを「する」「みる」「支える」という視点で捉え、競技者だけでなく、地域社会全体がスポーツに関わる主体になり得ることが示された。第一生命保険株式会社からは、アスリート支援や子どもたちへの機会創出を通じて、スポーツが地域との新たな接点を生み出している事例が紹介された。
さらに、株式会社シルバコンパスからは、宇都宮市のスポーツオープンイノベーションの取り組みの一環として実施された、選手アバターとの対話体験の事例が紹介された。ファンとの新しい接点づくりや、デジタル技術を活用したスポーツ体験の拡張など、今後の地域連携やファンエンゲージメントを考える上でも示唆に富む内容となった。

ショートプレゼンでは、大学・企業・スタートアップが登壇し、スポーツを起点とした新たな地域連携の可能性を発信した。

大会開催の“その先”へ

今回のフォーラムで一貫していたのは、「大会を開くこと」そのものをゴールにしない姿勢だった。重要なのは、その先に何を残すのか。誰を巻き込み、どんな風景を街に生み出し、どんな未来へとつなげていくのか。その視点こそが、すべての議論の中心にあった。
スポーツは、人を集める。感情を動かす。街をにぎわせる。そしてその力は、市民の誇りや若者の居場所、企業との新たな連携、次の挑戦へと広がっていく。3x3やアーバンスポーツは、単なる競技の枠を超え、地域の未来を形づくる存在になりつつあることを、このフォーラムは改めて示した。
スポーツがまちを育て、まちがスポーツを育てる。今回のThe Sports and Smart Cities Forum 2026では、その好循環がすでに各地で動き始めていることが、自治体、企業、大学、スタートアップそれぞれの実践を通じて共有された。大会の熱狂を一過性のものに終わらせるのではなく、地域の誇りやにぎわい、次世代への機会へとつなげていくこと。その積み重ねこそが、これからのリーグ、クラブ、そして地域社会にとって、ますます重要になっていくはずだ。今後もスポーツが持つ力を信じ、地域とともに新たな価値を生み出していく取り組みに、引き続き注目していきたい。

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